DESTINATION RESTAURANTS
「Destination Restaurants」はジャパンタイムズが主催する日本発信のレストランセレクション。“世界の人々のため、日本人自身の目線で選ぶ、日本の地方に特化したファインダイニング・リスト”として2021年に発足。昨年2024年初夏には、2021年~2024年に選出された4年分40軒の記事をまとめたガイドブックも出版し大きな反響を呼んだ。秋にはNHKの番組『クローズアップ現代』でもガストロノミー・ツーリズムが特集され、海外の富裕層が過去の「Destination Restaurants」受賞店を訪れる姿が映し出された。過疎地であっても、魅力あるレストランが1軒でもあれば、人はその地を訪れる。それによって得られる経済効果も年々、増加している。現在、食を通じて、その土地の文化や歴史に触れるガストロノミー・ツーリズムは、世界の市場規模が100兆円規模と目されており、日本でも地方のガストロノミーレストランや「Destination Restaurants」という賞自体への注目度も高まっている。
そのような背景のなか、今年第5回目を迎える「Destination Restaurants 2025」だが、新たに10軒がリストに加わったことで、計50軒のレストランリストが完成した。第1回目(2021年)から引き続き、審査員は辻芳樹、本田直之、浜田岳文の3氏。選考対象となるのは「東京23区と政令指定都市を除く」場所にある、あらゆるジャンルのレストランだ。
このリストでは次のような3つの視点で選考が行われている。①日本の風土の実像は都市よりも地方にあると考えること。②地方で埋もれがちな才能の発掘を目指すこと。③既存のセレクションとの差別化を図ること。これを踏まえ、あえて選考対象エリアを地方に限定している。今年はこれまで選外であった四国地方から愛媛県『くるますし』が選ばれたことで、北海道、東北、関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の10地域すべてに「Destination Restaurants」が存在することとなった。
50軒のリストが完成したことで、美食シーンにおける新たな日本地図が浮かび上がったと言える。残念ながら今年は選外となったレストランで、まだ選ばれていない都道府県の店はたくさんある。計100軒のレストランが出揃う2030年までに47都道府県すべてに当アワード受賞店があることを期待したい。
ひまわり食堂2(ツー)
The Destination Restaurant of the year 2025
ヨーロッパや北アフリカを放浪の末、27歳で料理人になった田中穂積が故郷、富山市に2013年に開いた『ひまわり食堂』が2024年春、名前も新たに移転リニューアル。シンプルで独創的なイタリア料理が評判だ。
北海道
アイヌの聖地とされる北海道白糠町にある〈茶路めん羊牧場〉の直営レストラン。羊の飼育から調理まで行うことで、内臓など新鮮でなければ食べられない部位まで使用する。チーズや野菜、魚などの素材も基本的には白糠産を用いるイタリア料理を提供している。
山形県
2023年4月にオープンした『スタンザ デラ シンチェリータ』は、山形県置賜地方の3室のみのオーベルジュ温泉旅館『オステリア・シンチェリータ』内にあるレストランだ。シェフの原田誠は山形牛をはじめ、土地で育った食材で作る料理で注目を集めている。
茨城県
茨城県つくば市の住宅街にある一軒家のイタリアン・レストラン。チーズや生ハムまで自家製にこだわり、パスタはすべて手打ち。シェフ、川村憲二は地元食材をイタリア人マダムの祖母に教わった料理を含め、イタリアの伝統的手法で逸品に仕上げている。
埼玉県
2021年春、埼玉県川口市にある、祖父の古民家を利用してオープンしたファーム・レストラン。ゲストが来店する直前に目の前にある自家菜園から摘んだ野菜を主役に、南仏やフレンチ・バスクなどで修業を重ねたオーナーシェフ、本岡将が腕を振るう。
石川県
石川県小松空港から車で30分。過疎化で廃校になった元小学校舎を利用して、2022年夏にオープンしたフレンチのオーベルジュ。シェフ、糸井章太やスタッフが採った山の恵みをはじめ、地元食材と隣接する酒造元の酒や糀などを組み合わせた料理が登場する。
京都府
京都市『中國菜 大鵬』2代目、渡辺幸樹が2021年末、綾部市に開いた1日1組限定の一軒。食材は自家栽培の野菜や飼育した家畜など。ゲスト自ら、鶏を絞めるところから始まるコースには「食とは命をいただくこと」というメッセージが込められている。
愛媛県
愛媛県松山市にて1976年創業。2017年に店舗をリニューアルしたときから銀座『鮨よしたけ』で江戸前寿司を学んだ2代目、高平康司が寿司を握っている。メニューは愛媛県産を中心に瀬戸内海や太平洋で揚がる四国の魚介類を使ったおまかせコースのみ。
大分県
店主、廣門泰三は『柏屋 大阪千里山』で料理の道に入り、蕎麦打ちの名人として名高い高橋邦弘に師事。その後『銀座しのはら』で2番手を務め、2021年に故郷である大分県別府市にて店を開いた。スペシャリテは骨を切らずに抜いて作る「廣門式 骨抜き鱧」だ。
鹿児島県
鹿児島空港から車で70〜90分という、鹿児島県鹿屋市に店を構えるイタリアン。オーナーシェフ、内田康彦が扱う食材の9割は大隅半島のもの。鹿児島湾で獲れる魚介や自家菜園で育てた野菜の魅力を目一杯引き出した料理がゲストを魅了する。
「Destination Restaurants List」はジャパンタイムズが主催する日本発信のレストランセレクション。“日本人が選ぶ、世界の人々のための、日本のレストランリスト”として2021年に発足した。第4回目となる「Destination Restaurants 2024」は、第1回から引き続き、辻芳樹氏、本田直之氏、浜田岳文氏の3名が選考にあたり、日本各地に点在する魅力的な10店を選出した。
「Destination Restaurants List」はジャパンタイムズが主催する日本発信のレストランセレクション。“日本人が選ぶ、世界の人々のための、日本のレストランリスト”として2021年に発足した。第3回目となる「Destination Restaurants 2023」は、第1回・2回から引き続き、辻芳樹氏、本田直之氏、浜田岳文氏の3名が選考にあたり、日本各地に点在する魅力的な10店を選出した。
「Destination Restaurants」は、ジャパンタイムズが主催する日本発信のレストランセレクション。“日本人が選ぶ、世界の人々のための、日本のレストランリスト”として2021年に発足。第2回目となる「Destination Restaurants 2022」でも前回同様、辻芳樹、本田直之、浜田岳文の3氏が選考にあたり、日本各地に点在する魅力的な10店を選出した。
国土の7割を森林が覆い、世界で6番目に長い海岸線が取り囲む。
南北に長く、気候は多岐に渡り、動植物の種類は多様性に富む。
そんな日本の濃密な自然を舞台として、そこでしか体感できないシェフの創造性を味わう時代へと、レストランシーンの最前線は突入している。
「Destination Restaurants」では、訪れるべきレストランを毎年10店ずつ選んで発表していく。
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