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May 27, 2025

ファームレストラン クオーレ

新鮮な羊肉を堪能できる農場併設のレストラン。

  • Destination Restaurants 2025
  • 北海道
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北海道白糠郡白糠町は釧路空港から車で約20分。北海道の先住民族であるアイヌの文化が深く根付く地域だ。町内にはアイヌ伝統文化の保存伝承活動とともに、文化交流、国際交流、情報発信の場として、アイヌ文化を正しく理解してもらうための施設ウレシパチセがあり、夏から晩秋にかけて、アイヌのお祭りも開催される。

そんな白糠町に京都出身で帯広畜産大学卒の武藤浩史が移り住み、『茶路めん羊牧場』を開いたのは1987年のこと。今では約800頭の羊が15haの敷地内で放牧され、冬は地元の牧草や直配合飼料などを与え、飼育や羊肉の加工・販売を手がけている。『茶路めん羊牧場』が販売する羊肉は東京など大都市のレストランでも“とっておきの羊肉”として扱われているが、牧場に併設された『ファームレストラン クオーレ』でなら、より深い羊料理の世界に触れることができる。

白糠町で生まれ育ち、札幌の人気イタリアンで修業を積んだ漆崎雄哉は2015年『ファームレストラン クオーレ』のオープンに伴い、2014年に帰郷し、シェフに就任。レストランとして使用する、100年以上前の農家をリフォームするところから携わった。開業までの1年間は牧場に勤務。世話はもちろん、分娩を手伝い、屠場から送られてくる半身を解体するなど、さまざまな仕事を担った。現在もレストランを休業する1~2月は全国に向けて出荷する肉を捌いたり、ソーセージを仕込む仕事はすべて漆崎がひとりで行う。「おかげで、肉を触れば肉質がわかるようになりました」と漆崎は言う。

レストランのキッチンに立つのも漆崎ひとり。メニューは昼夜同じで、前菜、パスタ、メイン、デザートまで多彩なアラカルトが用意されている。だが、この店を目指すなら、ぜひ、「オール羊コース」¥16,500(税込)にトライしたい。生後6〜15ヶ月齢のラム肉をはじめ、ホゲットやマトンなど、生育期間の異なる精肉や、脳みそ、胸腺、心臓、腎臓といった新鮮でないと食べられない内臓類も洗練された一品となって登場する。また、毎年5〜6月には生後3〜4ヶ月のミルクラムも提供する。

ほか、チーズも含めて、食材はほぼ白糠産。近隣の畑で育った無農薬の野菜や春先の山菜、ときに茶路面川でサクラマスなど、漆崎が自ら捕ってくることもある。

「大好きな白糠町をいかに料理で付加価値を高めることができるか、街を活性化できるかを考えています。そのためにもここで羊料理を極めたいですね」と漆崎は覚悟を語った。

■Sustainable Japan Magazine (Sustainable Japan by The Japan Times)
https://sustainable.japantimes.com/jp/magazine/531

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ファームレストラン クオーレ

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ADDRESS

北海道白糠郡白糠町茶路

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