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May 27, 2025

センティウ

素材を活かすピュアな味わい、鹿児島県南端のイタリアン。

  • Destination Restaurants 2025
  • 鹿児島県
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今回のレストランは、鹿児島空港から車で90分ほどかかる鹿児島県南部、桜島と陸続きの大隅半島の鹿屋市に位置する。行く際は近隣のホテルに泊まるのもいいが、ランチの予約を入れて、鹿児島市内で宿をとるのもおすすめだ。いずれにしろ、公共の交通機関で行くにはかなり不便なところにある。でも、だからこそ、地方の特色を色濃く感じることができるとも言える。

一軒家で8席のイタリアンレストラン『センティウ』が店を構えるのは、海山の自然に囲まれた住宅街の一画。佐賀県出身のオーナーシェフ、内田康彦が独立するにあたり、この鹿屋市を選んだのには理由がある。

「この街は妻の故郷なんです。前々から訪れるたびに、妻の父が地元の生産者を紹介してくれました。そこで大隅半島の素材に強く惹かれて、ここで料理を作りたいと思いました」と内田は語る。

自然に囲まれた鹿児島県は野菜も魚介も個性豊かだ。また、畜産産出額が同県の農業産出額の約6割を占めるなど、全国第2位の規模を誇る畜産王国ゆえに、同地で育った質のいい牛、豚、鶏を扱うこともできる。

「肉の旨みのピークがジビエと同じ冬の時期。でも、ここでは家畜の状態が良いので、信頼できる生産者のものを使っています」と内田は言う。

そんなわけで、義父の紹介で出会った家族経営の養豚場『ふくどめ小牧場』が、日本で唯一ここだけで育てている純粋サドルバック豚が通年、『センティウ』で主役を張る。純粋サドルバック豚はイタリアのチンタ・セネーゼに似たイギリス原産の種で、脂身が厚く、濃厚な味わいをもつ。一時は絶滅寸前にもなった非常に希少な豚だ。冬のある日のコース(昼夜¥12,100、¥17,600)ではメインの炭火焼きとして登場する。ほかの料理でも、そのラルド(背脂で作る生ハム)や背脂入りのソーセージが活用される。

内田の作風自体も個性的だ。2018年、店の移転リニューアルを機に、内田は「肉には赤ワインソース」「パスタにはチーズ」というような従来のイタリア料理のセオリーを捨てたのだ。雑味を極力排したピュアな味わいは「日本料理に近い」とも評される。ガストロノミー未開の地、大隅半島の食の未来はここから拓けていくのだろう。

■Sustainable Japan Magazine (Sustainable Japan by The Japan Times)
https://sustainable.japantimes.com/jp/magazine/547

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センティウ

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ADDRESS

鹿児島県鹿屋市新川町587

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