Destination Restaurants
2023
「Destination Restaurants」は、ジャパンタイムズが発行する日本のベストレストランのリストだ。日本の専門家が海外の読者を念頭に厳選したもので、2021年から毎年発表されている。ジャパンタイムズは6月20日、絶品料理と、その土地でしか味わえないサステナブルな料理を提供するレストランを表彰する「2023 Destination Restaurants Awards」の授賞式を東京都港区のレストラン「ザ・テンダーハウス」で開催した。
「Destination Restaurants」に選出された10店から、特にその名にふさわしい1店を選ぶ「Destination Restaurant of the Year 2023」は、福島県いわき市のレストラン「HAGI」が受賞した。
オーナーシェフの萩春朋氏は、2011年の東日本大震災以降、福島の食材と郷土料理を守るため、地元の生産者とシェフが一丸となって取り組んできたとあいさつ。Destination Restaurants Awardの受賞で、地元のシェフの存在が地元で認知されることは非常に重要だと述べ、「料理の力で福島に人を呼び寄せたい」と付け加えた。
授賞式には約120人がかけつけ、シャンパン「ラ・グランダム」とともに、リストに名を連ねるシェフたちが用意した料理に舌鼓を打った。
イベントのトークセッションでは、審査員を務めた辻芳樹氏、本田直之氏、浜田岳文氏がDestination Restaurantsリスト発行の狙いを説明。選考の評価基準として、地元の食材を扱っているというだけでなく、シェフがその食材をサステナブルな形で生かすスキルを持っているか、独自のガストロノミーを提唱しているか、その土地にレストランを設けることで地元の生産者のレベル向上に重要な役割を果たしているか、レストランが注目されることで地域社会に光を当て、付加価値を与えているかなどを挙げた。
3人の審査員は、Destination Restaurants Awardsが地方のレストランやシェフを広く一般に紹介し、地域社会や生産者に良い影響を与えるきっかけになればと期待した。