DESTINATION RESTAURANTS
Destination Restaurants
2026
Destination Restaurantsは、日本各地の食文化の素晴らしさを世界に向けて発信するため、The Japan Times が2021年に開始したレストランセレクションだ。今年で6回目を迎えた。日本人の食の専門家が世界に伝えたい日本のレストランを厳選する。今年選ばれた10軒のレストランのシェフを表彰する「Destination Restaurants Awards 2026」が、5月26日に東京・麻布台ヒルズ森JPタワーにある「34F Skyroom」で開催された。
2026年の「Destination Restaurant of the Year」は、宮城県気仙沼市の「気仙沼KUROMORI」だ。シェフの黒森洋司氏は、2011年の東日本大震災をきっかけに宮城県へ移住した。仙台でフカヒレ料理店を営み、その腕を磨いた後、2025年に世界有数のフカヒレ産地として知られる気仙沼へ拠点を移した。生産者との連携を深めながら、地域の食材を生かした独創的なフカヒレ料理を提供している。黒森氏は受賞に際し、「世界的にはネガティブにみられるフカヒレをポジティブな食材に変えていきたい」と今後の意気込みを語った。
選考を担当したのは辻調理師専門学校校長の辻芳樹氏、食関連のプロデューサー本田直之氏、食文化研究家の浜田岳史氏の3名だ。審査では、地元の食材を持続可能な形で最大限に引き出す技術や発想に加え、独自のガストロノミーを築いているかが重視される。辻氏は「受賞者の皆さんは一人ひとり、自分の料理を自分の哲学で語る力を持っている」と称賛。そして、「私たち3名の審査員は、これからも『地方にこそ日本の食文化はある』という信念で、Destination Restaurantsをサポートしていきたい」と述べた。
授賞式で挨拶した独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)の若松務理事によると、2030年までの日本の観光マーケティング戦略の柱の一つとして、その土地の気候風土、歴史、伝統が生んだ食材や食文化を学び、味わうことを目的とした旅のスタイルである「ガストロノミーツーリズム」が打ち出されている。
当日は、これまでこのアワードを受賞したシェフも含め100人を超える来場者でにぎわった。授賞式に続くレセプションが始まるまでの間、Destination Restaurantsに協賛するサントリーのウイスキー「響」が来場者に振舞われた。「響」は日本人の感性を生かした世界に通じるウイスキーとして誕生。このアワードが掲げる想いと共通している。
レセプションでは、受賞シェフたちによる地域の特色を生かしたパイやキッシュといったフィンガーフードが並び、来場者はそれぞれの食に込められたシェフの熱い思いを聞きながら、その味を堪能した。
このDestination Restaurantsは、料理を通じて地域の風土や文化、生産者の営みを伝えていく役割を持つ。今回の受賞でDestination Restaurants Listには60軒のレストランが名を連ねた。The Japan Timesは今後も、地域の魅力を発信し続けるシェフを応援しながら、日本の多様な食文化の魅力を海外に届けていく。

